【音楽の政治学】ヒトラーの偽善 「劣等」と呼んだ人種のレコードを隠し持つ (1/2ページ) 2009.3.14 13:00 アーリア人種の優越性を主張し、それ以外を劣等人種と決めつけたヒトラー。ユダヤ人を大量虐殺し、ロシア人をも憎悪したこの独裁者が生前、ユダヤ人やロシア人の音楽家のレコード多数を帝国総統府内に隠し持っていたことが最近、判明した。 このレコードの存在を世に知らしめたのは、第二次大戦後のベルリンに、ソ連軍将校として赴いたレフ・ベジメンスキー氏の娘、アレクサンドラさんだ。 アレクサンドラさんと、レコードの出合いは偶然だった。1991年、モスクワ郊外の家の屋根裏で、バドミントンの道具を探していたとき、ある木箱を見つけた。箱には「帝国総統府」と書かれ、驚いて階下に戻ると、父親は「あの日」のことを語り始めた。 ヒトラーが自殺した後の45年5月、ベジメンスキー氏が総統府に入ると、特殊な