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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (6)

  • どの学習指導要領で育ったか

    年が明けました。今年もどうぞ,よろしくお願いいたします。 2015年は戦後70年に当たります。この節目の年のスタートということで,特定の観点から戦後史を振り返ってみようと思います。具体的には,学習指導要領の変遷史の上に,各世代の軌跡を書き込んでみます。タイトルのごとく,それぞれの世代は「どの学習指導要領で育ったか」を可視化する試みです。 学習指導要領とは教育課程の国家基準ですが,その内容は時代ともに改訂されてきています。大よそ10年間隔です。その変遷史をみると,能力主義の考え方のもと,授業時数や教育内容がうんと増やされた時期もあれば,その逆の時期もあります。後者の学習指導要領で育った世代は,「ゆとり世代」などといわれたりします。 どの学習指導要領で育ったかは,各世代の人間形成に少なからず影響していることでしょう。学習指導要領をして「国民形成の設計書」となぞらえた論者もいますが,その規定力(

    どの学習指導要領で育ったか
  • 予備校生の減少

    予備校とは,現役の高校生や浪人生を対象として,大学受験のための準備教育を行う機関です。制度上は,各種学校に含まれます。この予備校ですが,大学全入時代の到来により,顧客はさぞ減っていることでしょう。 大学や短大の学生数のデータは,新聞や文科省の白書などでよく目にするのですが,予備校の生徒がどれほどいるか,またどのように推移してきたか,ということはあまり明らかにされていないようです。興味を持ったので,当局の資料に当たって調べてみました。 文科省『学校基調査(初等中等教育機関・専修学校・各種学校編)』の「各種学校」の章に,「課程別修業年限別生徒数」という表があります。この表に,予備校の生徒数が掲載されています。2011年度版の資料によると,同年5月1日時点における予備校生の数は24,060人となっています。主要な顧客である18歳人口が約120万人であることを思うと,いかにも少ない印象を持ちます

    予備校生の減少
    tamekko
    tamekko 2014/08/24
    市場規模の縮小具合はすごい。サピックスと一緒になってるので、下と連結して、小中学生に軸足を移して、そちらをもう一つの核にするには、全国に教室は要らないのかな?
  • 生徒のコンピュータスキルの国際比較

    前回は,わが国の高校生のICT利用度が国際的にみて著しく低いことを明らかにしました。ここでいうICT利用とは,自宅のコンピュータを使ったものであり,ケータイやスマホ等の小型機器を介したものは除かれます。 そうである以上,わが国の高校生のコンピュータスキルはどうなのか,という懸念が持たれます。前回と同様,PISA2009のデータを用いて,この点を吟味してみましょう。 PISA2009の生徒質問紙調査では,対象の15歳の生徒(日は高校1年生)に対し,「コンピュータで次のことがどれくらいできるか」と尋ねています。 情報化が進む現在,身につけておいて損はないスキルばかりです。いや,見方によっては,学生のうちに習得しておくべき必須のスキルであるともいえましょう。これらの5つの項目への反応を合成して,生徒のコンピュータスキルを測る尺度をつくってみます。 1という回答には4点,2には3点,3には2点,

    生徒のコンピュータスキルの国際比較
  • 「学校なんて時間の無駄だった」の国際比較

    前回は,PISA2009の生徒質問紙調査の結果をもとに,学校で学んだことに対する生徒の評価が,国によってどう違うかを明らかにしました。また,国際データにおけるわが国の位置も知りました。 そこで分かったのは,日の15歳の生徒(高校1年生)は,これまで学校で学んだことをあまり高く評価していない,ということです。15歳の生徒にとって「これまで学校で学んだこと」とは,義務教育学校で学んだこととほぼ同義でしょう。 私は,4つの項目への生徒の反応を合成して,一つの尺度(measure)を構成したのですが,項目それぞれへの反応を仔細にみてみると,他国との差が出ているのは,「学校なんて時間の無駄だった」に対する意識であることが分かりました。 「時間の無駄」とはなかなか手厳しい文言ですが,わが国の生徒がこの項目にどう反応しているかは,他国とかなり違っています。下図は,わが国を含む7か国の生徒の反応分布です

    「学校なんて時間の無駄だった」の国際比較
    tamekko
    tamekko 2012/11/06
    学校業界で仕事をしている身としてはなかなか悲しい数字ですが…。アジアと欧米だと、「時間の無駄」と答えているのはアジアの国ばかりですね。
  • 教員の授業スタイルの国際比較

    国際学力調査PISA2009のデータセットづくりに勤しんでいます。9月21日の記事で申したように,学校質問紙調査のデータセットは,何とか完成しました。しかし,生徒質問紙調査については,一筋縄ではいきません。ケース数が膨大であるからです。 下記のOECDサイトからダウンロードしたテキスト形式の圧縮データを,エクセルに取り込むことができません。しからば,必要な設問のデータだけを取り込めないかと,いろいろ悪戦苦闘した結果,ようやくその方法をマスターしました。現在,対象生徒の出身階層,学校観,教師観,および教師の授業スタイルの設問のデータセットを作り終えたところです。 http://pisa2009.acer.edu.au/downloads.php 74か国,51万5,958人分のデータです。とうてい一つのファイルに収まりきりませんので,いくつかに分割しています。ともあれ,このような膨大な数のデ

    教員の授業スタイルの国際比較
  • 教員給与の相対水準

    前々回,「都道府県別の教員給与」と題する記事を書きましたが,記事に対し,埼玉県の公立高校の先生よりコメントをいただきました。教員と全労働者の給与の比較をしているが,後者は,教員と同じ学歴水準である,大卒以上の労働者に限定したほうがよいのではないか,というものです。 なるほど。教員は大卒以上ですが,全労働者の場合,さまざまな学歴の者が含まれています。前者の給与が後者より高いといっても,それは,学歴構成の違いを反映したものではないか,という疑問が出るのは当然のことです。 男性同士のデータを比較することで,性別という要因は統制したのですが,学歴という要因を統制することまでには,考えが及びませんでした。今回は,その穴埋めをしようと思います。 厚労省『賃金構造基調査』から,全産業の男性労働者に毎月「決まって支給される」給与額の平均値を,学歴別に知ることができます。2007年でいうと,男性労働者全

    教員給与の相対水準
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