デビューからの2作をもって韓国映画界で確固たる地位を築いたナ・ホンジン監督。その3作目となるのがこの「哭声/コクソン」である。 舞台は韓国の鄙びた寒村。村では陰惨な殺人事件が多発しており、いずれの事件も犯人は被害者の身内。さらに犯人の皮膚は湿疹のように爛れ、まともに話せなくなっているという共通点があった。事件を捜査する警官ジョングは犯行現場に現れてはフィルム式カメラで写真を撮っていく、最近近所の山に住み着いたよそ者に着目。捜査の中で次々によそ者の奇行が明らかになり疑念を深めるジョングだったが、自らの愛娘にも事件の犯人たちと同様の湿疹が浮かび、言動がおかしくなり始めたことから状況は一変。祈祷師を雇って娘の憑き物を落とそうとするのだが……というお話。 國村隼、韓国の田舎にあらわる 兎にも角にも強烈なのが村に現れたよそ者を演じる國村隼の怪演である。ふんどし一丁で鹿の死体にかぶりつく國村隼、目を赤