【北京=古谷浩一】中国の新華社通信などによると、陝西省南鄭県の幼稚園で12日午前8時(日本時間同9時)ごろ、近くに住む男(48)が園児らを肉切り包丁で襲う事件があった。園児7人と幼稚園経営者(50)らの計9人が死亡、園児11人が負傷した。地元警察によると、男は犯行後、自殺した。 事件が起きたのは「兵馬俑(へいばよう)」などで日本人観光客にも知られる同省西安市から南西に約300キロ離れた地域。幼稚園は男の自宅の場所を借りて運営されていたが、男はその立ち退きを求め、経営者との間でもめていたという。事件時には園児約20人がいた。男児5人と女児2人、幼稚園の経営者とその母親(80)が亡くなり、病院に運ばれた負傷者のうち2人の子どもも重体だという。 中国では最近、幼稚園や小学校が襲われる事件が相次いでおり、「貧富の格差」の拡大による社会への不満が、凶悪な犯罪の多発につながっているとの分析も出てい