戦後最高の総理大臣とはいったいだれだろうか。憲政史家の倉山満さんは「それは池田勇人だろう。最近は田中角栄の人気が高いが、田中は高度経済成長の遺産を食いつぶしただけの無能な政治家だ。池田の所得倍増政策なくして、いまの日本は存在しない」という——。 「強い政治家だった」という意味不明な美化 戦後最高の総理大臣と言えば、古くは吉田茂と相場が決まっていました。今だと田中角栄でしょうか。 吉田は敗戦後の混乱期に、横暴極まりないGHQの圧力に対し、よく立ち向かいました。 なにより日本を独立に導いた功労者ですから、批判したい点も山のようにありますが、ある程度の高評価は納得できます。 しかし最近は、なぜか吉田以上に田中角栄の評価が高く、角栄の本を出せば売れる「角栄産業」と言われるほどの大人気ぶりです。 生前の角栄は、ロッキード事件など汚職で真っ黒の金権政治家として、およそマトモなオトナが名前を口にするのも