アパレル産業の死期が迫っている。驚くべきは、現場の人間と話をしても「もうかりまっか?」と聞いても、未だに「ぼちぼちでんな」と悠長な返事が得ってくる。それでは、「比較的好調なんですか」と聞き返せば、「まあまあです」と答える。この台詞、どこかで聞いたことがないか。まさにMBAの教科書に載っている「茹でカエル」である。会社にいる人間は、自社の中しか見えないことが多く、世の中を俯瞰してみていない。今日は、日本のアパレル産業の実態について、15人の現場の人間からインタビューをとりまとめた現場に働く方達の客観的世界観を語りたい。 原料高により商社OEMは限界 Pavel Muravev/istock 米国の利上げによって、世界のマネーは米国に向かう一方、相対的に低金利政策を継続している日本の金利は世界で類を見ないほど低くなってきた。この結果、為替は150円(TTB 銀行が外国為替を買うレート)で、来月