2011年8月6日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの石井裕教授が、エンジニアを対象に「危機対応」をテーマにした講演を行った(写真1)。リクルートのTech総研アカデミーが主催する「JAPAN INNOVATION LEADERS SUMMIT」の1セッションで、正式タイトルは「311クライシス・レスポンス:エンジニアの活躍と未来展望:レジリアントな世界を構築するために」である。 宮沢賢治の肉筆原稿が語ること 講演は、石井教授が敬愛する詩人、宮沢賢治の肉筆原稿のエピソードから始まった。岩手県にある記念館で、石井教授は宮沢賢治の生原稿を見た。そこには、消した文字や何度も書き書き直した跡がたくさんあり、フォントやテキストだけでは分からない情報がたくさんあった。「大事なものは、テキスト情報では排除されてしまう内容を想像する力だ」(石井教授)。 このメッセージは、プレゼン半ばで紹介