シャープは10日、2012年3月期連結決算の業績見通しを下方修正し、税引き後利益の赤字額を2月に予想した2900億円から約3800億円とする方針を固めた。 液晶テレビや太陽電池事業の収益が想定以上に悪化しているためだ。税引き後赤字はリーマン・ショック後の09年3月期以来3年ぶりで、赤字幅は過去最大となる。 昨年10月時点で60億円の黒字を見込んでいたが、2月に2900億円の赤字に下方修正していた。前期は194億円の黒字だった。 一方、経営の立て直しに向け、液晶パネル製造の主力・堺工場(堺市)を運営する子会社シャープディスプレイプロダクトの株式の一部を、主要部材の調達先である大日本印刷と凸版印刷に譲渡する方針だ。 堺工場の稼働率は5割に低迷しており、シャープは3月、保有する93%の株式の半分を電子機器の受託製造最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業側に売却すると発表していた。