201108 連載:Think about the Great East Japan Earthquake 東日本大震災を考える[2]:移動と定着のメカニズム──災害の歴史から学ぶこと 牧紀男+青井哲人 3.11からの1カ月 牧紀男──震災当日は京都大学にいまして、最初、僕個人は感じませんでしたが、研究室の学生の話で気づき、確かにフワフワという揺れを感じました。京都は東北から距離が離れていたこともあり、最初はそれほど大きい地震だと思わなかったのですが、テレビを付けると仙台沖で非常に大きな地震があったと言っていました。 防災の専門家の観点から言うと、この30年間の地震発生確率は宮城県沖で99%、三陸沖で80〜90%でしたから、その地震が来たのかというのが第一印象で、そのふたつは陸側と沖側で分かれているのですが、最悪のシナリオとしては両方が一度に動くことになっておりました。今回のマグニチュード