ブックマーク / classingkenji.hatenablog.com (9)

  • 松戸「松戸酒場」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    ふと思い立って、松戸へ行ってみた。表向きの目的は、松戸市立博物館と常磐平団地の見学。常磐平団地は、一九五九年に入居が始まった巨大団地で、総戸数は五三〇〇。多くの団地で建て替えが進む中、自治会が一致団結して建て替えを拒否し、高齢化に取り組むまちづくりを進めている。最近塗り替えられたと思われる住棟は十分美しく、成熟した緑に囲まれた素晴らしい環境。こんな団地なら、住んでもいいなと思わせる。松戸市立博物館は、完成当時の団地の建物の一角と住戸を復元していて、当時の雰囲気が濃厚に立ち上る。 さて、見学の後は居酒屋だ。松戸には「開進」という大衆酒場の名店があるらしいのだが、残念ながら土曜日は休業。まず入ったのは、店名からして入らないわけに行かないだろうというこの店。大衆酒場と紺地に白く染め抜かれた暖簾が心をひく。L字型カウンター八席と、四人掛けテーブル二卓の店を、おかみさんが一人で切り盛りしている。ビー

    松戸「松戸酒場」 - 橋本健二の居酒屋考現学
  • 2013-06-12 - [西武線沿線]富士見台「くろちゃん」

    授業のあと、どこで飲もうかと少し考えた末、まだ行ったことのないこの店へ。富士見台の駅を降りて東南方向へ少し歩き、区界を越えて中野区に入った場所だ。 この店の店主は、野方の「秋元屋」、中野の「石松」と、二大名店で修業したという人物。秋元屋系ということで味噌だれで注文してみたところ、「石松」流に注文を受けてから肉を切り、串に刺し始める。焼き上がった串焼きは、味噌だれとはいっても「秋元屋」に比べると唐辛子もニンニクも控えめの薄味。ある客がタンモトを注文したところ、居合わせた客も便乗して「ぼくも」という。そこで「私も」と便乗。こういうところなど、むしろ「石松」に近い店といっていいだろう。次に注文した品は、時節柄詳細は省くが、エッジの立ったきれいな形ですっきりした味。沿線といえども、なかなか行けない場所だが、たまには寄ってみたい店である。 ちなみに、客と主人の間でこんな会話が。 「『古典酒場』って雑

    2013-06-12 - [西武線沿線]富士見台「くろちゃん」
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 2013-07-09 - [池袋]「酔い心地 真っ先」

    何度も書いているけど、池袋にはいい日酒を置く店が多い。その多くは、日酒好きの比較的若い店主がここ数年の間に開いた店だ。この店も、そのひとつ。池袋といっても、駅から北側へ10分ほど歩いた住宅地の中である。 小さな店で、カウンター六席と小さなテーブル席。日酒の品揃えはひんぱんに変わるようだが、而今、奈良萬、飛露喜あたりはたいがい置いているとのこと。料理も工夫されていて、ホワイトボードの週替わりメニューなど、けっこう手が込んでいる。今日いただいた鯨の刺身は、赤身と皮を薄く切ったものを交互に重ね、重ねたまま二枚ずついただくというもの。なるほど、希少でめったにべられない霜降りの尾の身のような味だ。而今の旨みにぴったりだ。チーズの西京漬け、鮫軟骨の梅肉和えなど、珍味系も揃っている。 人通りの少ない場所だけに千客万来とはいかないようだが、常連らしい客が何人も入ってきて、二杯ほどで帰って行く。 た

    2013-07-09 - [池袋]「酔い心地 真っ先」
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 2013-07-15 - [池袋]「和酒酔処 わく」

    池袋にまたひとつ、日酒の美味い店ができた。以前入った時は、何の変哲もない店だったのだが、いつの間にか経営が変わり、この二月に開店したらしい。 英君、開運、花陽浴、遊穂、風の森、東北泉など、いいところを揃えいて、五百円均一とはうれしい。魚料理も豊富。六時過ぎだというのに、すでに地元客などでほぼ満員だ。壁の貼り紙を見ると、近く「英君」の蔵元を招いて酒の会を開くとのこと。こんなイベントを開く店が、あちこちに出てきたのはいことだ。三点盛りの付け出しが美味しい。カウンターには足丸ごと一の大きな生ハムがあって、注文するとその場で切り、小皿に盛って、ちょっと和風に仕立てて出してくれた。時々通うことになりそうな店だ。(2013.6.17) 豊島区西池袋3-25−5高柳ビルB1F 17:00〜24:00 不定休

    2013-07-15 - [池袋]「和酒酔処 わく」
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 2013-10-07 - [池袋]「希紡庵」

    以前は東池袋にあった日酒バーの名店・希紡庵が、西池袋に場所を移して再オープン。この日は公式にはまだ開店前だが、プレオープンということでお邪魔してきた。西池袋公園(池袋西口公園ではないので、注意)に面したビルの六階で、一階が中華屋になっているのが目印。 面積は三倍ほど、テーブル席もあって、席数は二倍ほどになっただろうか。公園を見おろすシチュエーションは、なかなか快適。日酒はあいかわらず良いものを揃えている。店主の渡邊さんは閉店から再開までの間、鶯谷の「焼き貝うぐいす」で働いていたとのことで、貝料理がメニーに加わった。これは、楽しみだ。 立教大学に近いこのあたりには、老舗の「三春駒」、新興勢力の「わく」「三太郎」「どんどこ」など、日酒の名店が集中し、日酒の新たなメッカとなってきた。地元民はもちろんのこと、西武・東武沿線の日酒好きにとっても、幸福なことである。(2013.9.3) 豊島

    2013-10-07 - [池袋]「希紡庵」
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 2013-11-07 - [池袋]「裏や」

    何度も書いているように、池袋には日酒の品揃えのいい店が多い。多いだけに、まだ訪れるチャンスのない店もいくつかあるのだが、ここはそのひとつだった。この日は少し暇だったので、早めの時間に訪れてみた。目立たない店構えで、しかも地下だから、つい通り過ぎてしまいそうだ。 メニューには日酒が一〇〇種類以上。その上に新入荷もあるから、なかなか飲み尽くせなさそうだ。値段はグラスで四三〇−五八〇円が大部分だから、池袋の他店と同様にリーズナブル。先にビールは飲んでいったので、日酒から始める。この日いただいたのは、「姿・純米吟醸雄町無濾過生原酒」「旭鳳・純米原酒秋のいざない」「奥能登の白菊・純米吟醸」。いずれも濃醇で香りが良く、旨い。 料理はいろいろあるが、一人客限定の刺身の盛り合わせ(九八〇円)というのがあって、種類・量・味ともいいから、一人ならまずこれを注文することだ。季節のメニューが多く、この日は松

    2013-11-07 - [池袋]「裏や」
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 東長崎「やきとり大将 どん」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    西武池袋線で池袋から二駅目が東長崎。豊島区の最西端にあたるこのあたり、長崎、南長崎という地名はあるが、東長崎という地名はない。なぜこんな駅名になったかというと、九州の長崎と区別するためだとか。古い商店街がある。駅の近くにはバラック飲み屋街の名残のような一角もあり、一度行ってみたいと思っているのだが、夜遅くにならないと開かないのか、灯がついているのを見たことがない。 今日は、駅から北へ少し歩いたところにある、前から気になっていたやきとり屋に入ってみた。 小さな店だ。コの字型カウンターに一一席のみ。串焼きは鳥だけで、大部分は一六〇円と一七〇円。家族三人でやっているようで、親父さんが焼き鳥を焼き、女将さんが酒を用意し、息子らしいのが客に応対する。親父さんは黙々と働いているが、息子の応対はにこやかで柔らかく、和みのある雰囲気をつくっている。 ビールは生が四七〇円で、瓶が六三〇円。酎ハイは三八〇円。

    東長崎「やきとり大将 どん」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    tanabata
    tanabata 2013/11/14
  • 板橋区役所前「亀屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    都営三田線の駅のすぐそばに、旧中山道と王子新道が直交する交差点がある。このあたりは、旧中山道沿いの中宿商店街の中心部にあたるが、そのそばに、くすんだ光を放つ大衆酒場がある。紺地に白く「大衆酒場」の文字。「大衆酒場 亀屋」といえば、八広に同名の名店があるが、関係があるのかないのか。上の看板には「ホッピー酒場」ともある。ずっと前に一度来たことがあるが、久しぶりに入ってみることにする。中には、一五人くらい座れるコの字型カウンター。小上がりもあるにはあるのだが、物置になっている。切り盛りするのは、八〇歳近くかと思われる女性が一人。客は常連の一人客ばかりのようで、カウンターの向こうとこちらで親しく話を交わしている。テレビでは、巨人戦をやっている。皆さん、巨人びいきらしい。この日は珍しく、三連発で巨人が中日を逆転した日だったが、皆さん半信半疑で、どうせだめだよという雰囲気(結局はこのまま勝ったのだが)

    板橋区役所前「亀屋」 - 橋本健二の居酒屋考現学
  • 歌舞伎町「三日月」 - 橋本健二の居酒屋考現学

    歌舞伎町の風林会館そばには、ゴールデン街ほど規模は大きくないものの、ヤミ市的な臭いのする路地がある。その中にある、知る人ぞ知る隠れ家のような店がここ。以前、マスコミ関係者に連れられてきたことがあり、いい店だという記憶があったので、再訪。ただし、場所はたいへんわかりにくい。二〇分ほど歩いて、ようやく探し当てた。小さな店で、カウンターが六席と四人座れるかどうかというテーブルがひとつだけ。品書きは、季節の魚介類が中心で、そのほかにオールグリーンと称する青物野菜数種類の炒め物や、湯豆腐、オムレツ、ステーキなど。ビールはサッポロとキリンを置く。鮪中落ちを注文すると、インドマグロのカマトロの部分が皿にどっさり出されてきた。美味。この店は一九五一年開店で、現在の主はこの店で一九五二年に生まれたとのこと。笹口幸男の『東京 横町の酒房』によると、先代の主人は早稲田大学相撲部の出身で、そのためボリュームのある

    歌舞伎町「三日月」 - 橋本健二の居酒屋考現学
    tanabata
    tanabata 2008/12/04
  • 1