■はじめに 食事療法としての2つのアプローチ 糖尿病は、インスリンの量や作用の不足により血糖値のコントロールに異常(慢性的な高血糖)が生じる病気です。血糖値の上昇は食事により引き起こされますから、糖尿病の治療と予防には、食事療法が必要不可欠です。 この食事療法については、伝統的にカロリー制限食が取り入れられていますが、近年では、糖質制限の考え方に基づく「糖質制限食」が提唱されています。 ■カロリー制限食 糖尿病は悪い食生活の積み重ねを原因とする生活習慣病ですから、食事療法の目的は「悪い食生活を正すことで糖尿病の症状を改善させること」になります。いわゆる「カロリー制限食」は、従来から糖尿病患者に提供されている伝統的な食事法で、今でも多くの病院の糖尿病食として採用されています。 カロリー制限食の特徴は ・適切な量の食事を摂る=摂取カロリーの上限を定める ・バランス良く栄養を摂る=糖質60%:タ