高崎市綿貫町の県立公園「群馬の森」に10年前、建立された朝鮮人追悼碑の更新問題。県が22日、碑前の政治的活動を理由に「追悼碑を守る会」の更新申請を不許可とし、同会も28日、今秋にも県の決定取り消しを求めて提訴すると表明。新たな局面に移った。問題の本質はどこにあるのか。2回にわたり論点を整理する。(前橋支局長 中川真) ◆歴史認識の溝 建立前から今日まで、問題の根底には「歴史認識」の深い溝が存在する。 守る会が4月発行した冊子「群馬における朝鮮人強制連行と強制労働」では、証言を根拠に、旧中島飛行機など各地で徴用朝鮮人の強制連行・労働があったと訴えている。 冊子によると、同会(旧『建てる会』)が平成13年の請願採択後に作成した碑文原案には、こうした会の主張が強く打ち出された。 当時の徴用を「労働力補充のため、朝鮮から強制的に連行」「満足な食料も衣服も与えられず、昼夜を分かたぬ過酷な労働と悲惨な