物価の高騰が、学校給食にも影響を及ぼしている。給食事業者の倒産が相次いでおり、やむなく肉や魚の量を減らしてしのぐ学校もある。現場から「このままでは、生徒の食を守ることができなくなる」と不安の声が上がっている。 【写真】生徒に提供されている給食 「きんぴらはどう?」 11月中旬、午後1時すぎ。埼玉県志木市の市立志木中学校では、給食を食べ終えそうな生徒たちに、栄養教諭の猪瀬里美さんが声をかけて回っていた。 この日の献立は、ニンジンや赤ピーマン、こんにゃく、さつま揚げなどを炒め合わせた紅きんぴらに、舟運いろはうどん、レンコンの秘密揚げ、菊花ミカンに牛乳。水運で栄えた市の歴史にちなみ、レンコンで水車を模すなど工夫を凝らした。 献立のエネルギー量は668キロカロリー。国の学校給食摂取基準が定める中学生の1食あたり830キロカロリーに少し届かない。基準を上回る日もあるが、「その数字を満たすのは今、もの