太平洋戦争で日本が戦った相手国は、アメリカ、イギリス、中華民国、オランダのいわゆる「ABCD包囲網」だけではない。こんにち、あまり語られることはないが、ニュージーランド軍もまた、南太平洋で日本陸海軍と死闘を繰り広げていた。当時の機密資料から読み解く、ニュージーランド軍から見た日本軍と日本人とは――。 ニュージーランド軍が訓練用に編纂した機密資料 筆者の手元に、「KNOW YOUR ENEMY AIRCRAFT」(汝の敵機を知れ)と題する、縦12.5センチ、横18.5センチ、全52ページの小冊子がある。 第二次世界大戦中の1944年8月、ニュージーランド空軍が飛行機搭乗員の訓練用に編纂した機密資料で、なかには、日本陸海軍機の詳細なデータから、日本の搭乗員の長所と短所などが網羅されている。 第二次世界大戦中、日本が戦った相手国として真っ先に思い浮かぶのは、アメリカ、イギリス、中華民国、オランダ