16日午前4時50分ごろ、京都市上京区大原口町の喫茶店「ほんやら洞(どう)」付近から出火。上京署によると、木造2階建ての店舗延べ約120平方メートルが全焼した。けが人はなかった。 ほんやら洞は1972年、フォーク歌手の岡林信康さんらが開店。開店時のメンバーで写真家の甲斐扶佐義(ふさよし)さんが現在店主をつとめている。ベトナム反戦運動や反原発運動の拠点となったほか、ミュージシャンのライブや詩の朗読会、学生らによる集会などが催され、多くの文化人が集った。 現場は京都御苑の北側で、同志社大学今出川キャンパスの近く。 甲斐さんは、京都市中京区で経営するバーで火災の一報を受けた。ちょうど、ほんやら洞の歴史を振り返る内容の著書を執筆中だったという。 火災で、哲学者の鶴見俊輔さんや作家の水上勉さんらから譲り受けた資料も、たくさんの本も、自らが撮りためた写真フィルムも、「すべてがさっとなくなってしまった」