経営・監査委の改革を NHKの籾井(もみい)勝人(かつと)会長就任から1年3カ月。今年に入ってからもまた、政権におもねるかのような発言で物議をかもし、私用ハイヤー代の立て替え問題なども浮上した。これに野党は反発、NHK予算は2年連続で与党などによる賛成多数で承認され、全会一致の慣例が破られた。 問題が起こるたびに籾井会長は公共放送トップとしての自覚に欠けると指摘されてきた。私も2月4日付本欄でそう書いた。だが、もはや会長個人の問題にはとどまらないと考える。組織としての規律の低下や、経営委員会・監査委員会によるガバナンス(統治)機能の不全が目に余る。 象徴的なのがハイヤー問題だ。籾井会長は今年1月2日、私的なゴルフに出かけた。関係者によると、相手は財界人を中心に10人。その往復のハイヤーは会長秘書が手配し、代金4万9585円はNHKが支払った。調査した監査委員会は、会長と秘書室の間には「会長
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