ブックマーク / blog.livedoor.jp/captainsummer (8)

  • ピコピコ少年SUPER : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    やっぱり押切 蓮介は信用できる。 まあ、誰もが思うのは、この人は当に浮き沈みの激しい人生を送っておられるなぁということで。 何かいいことがあったと思ったら必ず直後に脳天をガツンと殴られる。 その極みが、あの「ハイスコアガール事件」なのだろう。 あれに関しては、法律的な見解を持っていないのでなんともここでは語りづらいのだけども。 一マンガファンとして、ひたすら残念な事件であったことは間違いない。 そして、ただひたすら、なんとか連載再開にこぎつけていただけないかと祈るように待つしかない。 ただ、そういうマンガ好きの切実な想いがある一方で、なんというか「ああ、押切蓮介っぽいなぁ」と思ってしまったのもまた事実ではあるのだ。 作者自身が、「人生の絶頂期だった」と語るあの頃の押切蓮介と、ここで語られる今の押切蓮介。 とりあえず、これまでのエッセイマンガを読む限り、今の押切蓮介の方が、「っぽい。」 で

    ピコピコ少年SUPER : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 荒野のグルメ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    最初表紙を見たときは弘兼憲史先生かと思った。 前作「野武士のグルメ」も鉄板の面白さだったけれども、作の方がより面白みに磨きがかかっているように感じた。 というのは、「野武士のグルメ」はそもそも原作が久住先生のエッセイだったからで。 どうしてもお話は久住先生寄りというか。 そもそもは久住先生が久住先生のために書いた話だったわけだ。 そこに土山先生が寄せていった結果、若干の違和感というか、齟齬はあったように思う。 でも、あれは二人にしてみたら「試し描き」だったのだなぁ。 作はがっぷり四つに組み合って描いている感じが嬉しかった。 久住先生は、土山先生の絵に合わせて題材を選んでいるし、土山先生はそれに十二分に応えている。 一言で言えば、中年のおっさん同士の蜜月の関係。 そのためには酒が必要だし、美学(カウボーイ的な)が必要だったのだろう。 だからこその、ビール描写だし、だからこその酒場描写だ。

    荒野のグルメ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • かくかくしかじか(完結に寄せて) : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    読んでいる間、自分の評価もゆらゆらしちゃったマンガですが。 終わってみれば、傑作だった。 それも大傑作。 その切実な呼び掛けで、一巻の時点で、先生は今はもういないのだろうなということは予想できていたし。 また、その死に対して、作者が何らかの後悔を抱えているのだろうということもわかっていた。 となると、後はその後悔がどう描かれるのかっていうのが、このマンガの見せ場(言い方は悪いけど)になる。 で、それがこの最終巻でついに描かれたわけだけども。 結論から書くと、描かれる後悔自体は、決して特別な後悔ではなかった。 でも、それが特別でないからこそ、ぐっときた。 有り体に言うと泣けて仕方なかった。 というのも、こういった類の後悔は、多分30を超えれば誰だって多かれ少なかれ抱えているのだ。 だから、ここで描かれる物語だって、何かしら思い当たるふしのあるものだろう。 でも、特別ではない物語が誠実に描かれ

    かくかくしかじか(完結に寄せて) : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • アメリカンスナイパー : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    画像は書籍ですが、見てきたのは映画版。 アメリカではこれが戦争賛美だとか、イラクで160人も殺したクリス・カイルを英雄扱いするなんて何事だ!?みたいな感じのディスで盛り上がっているそうだ。 さすがだぜ。アメリカ。クレイジーだぜ。 まあ、普通に考えたら、この映画がクリス・カイルを称えている映画ではないし、ましてイラク戦争を肯定している映画なわけはない。 なにせ、主人公の心の壊れっぷりの異様さがハンパない。 例えば、犬がうるさく吠えていたら、その犬を素手で殺そうとするし、車で走っていても絶えずいつも誰かに付けられているんじゃないかと後ろを気にする。 病院で自分の娘が泣いていたら、なぜじぶんの娘をケアしないんだと大声をあげる。 PTSDを描いた映画はこれまでもわりとあったのだ。 でも、これまでの映画はわりとそうなってしまう兵士を特別な存在として描いていた。 「あんな悲惨な戦争を体験したら、誰だっ

    アメリカンスナイパー : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • ラーメン大好き小泉さん : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    グルメマンガ好きとしては見逃せない一作だったのですが・・・・・ グルメマンガには、「旨そう!!」を求めている自分にとって、このマンガとの相性は悪かったのだろう。 好きな人も多いと思うので、これはあくまでも「自分にとってのグルメマンガ」の括りのモンダイでもあるのだけども。 それを踏まえた上で、個人的に、このマンガのような萌え絵とグルメマンガって合わないと感じた。 萌えというのは、簡単に言えば記号化の極みだ。 例えば、ショートカットだったら元気な女の子、とか。 例えば、大人しい女の子は黒髪ロングとか。 そういった記号を作者と読者が共有することで成立する。 (もちろん、そういった記号を設定した上で、あえて違う属性を持たせる・・・みたいなテクニックも、もはや日常茶飯事なんだけども、ここではその辺の話はめんどくさいので省略) で、それは絵だけじゃなくて、キャラクターの仕草だとか、設定なんかにも現れて

    ラーメン大好き小泉さん : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • ゴールデンカムイ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    おもしろいぞ!!! この紹介だけでも既存のジャンルに収まりきらない感じはする。 で、読んでいる間ずっと、「自分は何を読んでいるのだろう??」とクラクラした。 なにせ、舞台は日露戦争直後だ。 この、エンタメ業界ではあまり語られたことのない時代設定と、アイヌというこれまたあまり語られてこなかった文化的背景は、その細部を読むだけでなかなか楽しい。 にも関わらず、作はそれらを歴史ものとして語るのではなく、あくまでもメインストーリーはトレジャーハンティングというバリバリのエンタメ路線。 こういう史実とエンタメのバランスは、小説ではわりとあるのだけども、マンガでは珍しい。 加えてこのお話を盛り上げるのは、例えばうさぎを捉える罠の張り方であったり、熊の倒し方であったり、リスのべ方であったり・・・・という、雪山サバイバルものという側面で。 これがまた妙に生々しく、かつそこにやたらとページを裂くので、自

    ゴールデンカムイ : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • 今日は会社休みます : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    何を血迷ったか、35才のおっさんがこれを2巻まで読みましたよという話。 まあ、最近よく書いていることだけども、そもそも自分がターゲットでないマンガなわけで。 いくら年齢が近いとはいえ、この設定だけで既に35のおっさんに理解できる範疇を越えている。 それを無理に理解するつもりもないし、理解できないからってディスるつもりもない。 さて。 そういう個人的な感想とは別に思うことは、『少女マンガ』ってもともとはこういうものだったよなぁ・・・・っつうことで。 冴えない女の子に、とつぜんイケメンがいいよってきて、なんだか気になっちゃう・・・・ってか好きになっちゃう!!!きゃー最高!! と思ったら、別のイケメンがいいよってきて、こっちにもやっぱり心クラクラしちゃう!!・・・・でもやっぱり最初にいいよってきた方が好き!!!きゃーどうしましょ!! ・・・・ってな具合の、乙女に都合のよいファンタジーはいつの世も

    今日は会社休みます : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)
  • ひきだしにテラリウム : 淡々 (マンガソムリエ廃業編)

    これは、間違いないでしょう!! どちらかというと濃い短篇集を読んだなぁという感じ。 それは、たぶん、ここで描かれるショートショートがどれも背景にとても大きな世界を持っているからで。 ショートショートって、どっちかというと「オチ」ありきになることが多いのだけど。 (というか、切れ味のいいオチってそれだけで充分好みなんだけども。) このマンガの場合は、オチもあるけど、オチた先でも、まだ物語は続いていく・・・っていう感じがあって。 ああ、さすがは九井諒子と、ため息をついたのだった。 たとえば「かわいくなりたい」っていう話は、ネコが化粧して美人・・・ならぬ美に化けるまでを丹念に描くだけのマンガなのだけども。 この、「ネコが化粧してデートにいく世界」に関しては、一切説明がないわけ。 ただ、ネコがどのようにメイクアップするのかを描く。 でも、そこが執拗に細かく、リアルに描かれているから、この後のネコ

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