たいていのものは、叩けば音がなる。そういう意味で、すべてのものは楽器だといえなくもない。 たとえばすべり台のU字型の部分を手で叩くと、ゴワーンと低くて澄んだ音がなる。こどものころはこれを聞くのが好きだった。 街の中で目についたものを楽器だと思って叩いてみて、その音を聞いてみる。そして楽器だと思って音楽をつくってみる。今回はそういうことをしてみたいと思います。 (text by 三土たつお) 街を歩いて、目につくものを手で叩いていきます 子供のころ、雨上がりの帰り道に、傘を欄干にカンカンさせながら歩いたことのある人は多いと思う。今回は、それを大人の今になってやってみるという企画。 ただし傘で叩いたりするとものを壊してしまうかもしれないし、あまり大きな音を立てると周りにも迷惑だ。やさしく手で叩いていくことにしよう。