選択公理には変種が多く存在する。ここでいう変種とは、他の集合論の公理の元で、選択公理と変種が、一方を仮定すればもう一方を導けるような関係にあるということである。更に言えば、他の公理を使うまでもなくに同値になるような様々なパターンがあるのは言うまでもないだろう。例えば共通部分や論理の記号を使わない[注釈 3]、必要最低限の記号だけからなる定式化も可能であるが、ここでは読みやすさを優先して集合論の基本的な記号は用いることにした。 以下の変種は選択関数の変わりに選択関数の値域を考えることで、選択関数を使わずに選択公理を述べている。これは関数という概念を導入することなく選択公理を定式化できるので便利である: 任意の集合が空集合を元としてもたず、の要素が互いに素になっているとき、 のどの要素とも共通部分が1元集合になるような集合(選択集合)が存在する[5]。 ここで、1元集合であることを、ある元が存