敵対的学習 (adversarial learning)† スパムメールの検出や,アクセスログを利用したネットワークからの侵入検出に機械学習技術が利用されている.すると,送信や侵入を企てる敵対者 (adversary) は,意図的に入力パターンを変更して,検出を回避しようとする.こうした,敵対的な環境下での利用を想定した機械学習の研究は敵対的学習 (adversarial learning) や 敵対的環境下での機械学習 (machine learning in adversarial environments) と呼ばれる. 敵対者の攻撃を検出する識別器の頑健性の評価や強化する,敵対者側の立場から識別器を回避する,そして防御側と識別器の間のゲーム理論の立場からの均衡の考察などの研究がある. ここでは,攻撃側の攻撃可能性についての文献1の研究を紹介する. スパムフィルタなどの分類器があり,