『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』(上遠野浩平/集英社) 上遠野浩平という作家は、デビュー当初からジョジョの奇妙な冒険のノベライズをしているような作品を書いているのだけど、人間賛歌を基調にしているジョジョに比べると、上遠野浩平はもう少しナイーブというか、後ろ向きなところがある。ある話で登場する”中二階(メザニーン)”という能力があるんだけど、能力の詳細はさておいて、これはもう一階にはいられないんだけど、二階に上がることがどうしても出来なくて、いつまで経っても中二階で足踏みをしているような状態を意味している。こういう何一つとして確かなものがない、前にも後ろにも向かうことが出来ないような、曖昧で宙ぶらりんな状態やあり方について延々と書いている作家が上遠野浩平なのだった。ある意味、ジョジョとは真逆の方向を行く作家であるとも言えるわけで、その作家が題材として描くのが、ジョジ
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