考えるんじゃない、感じるんだ! あまたのスポーツに名将というものはいますが、僕はかねがね、名将は基礎の反復を重んじる傾向があるように思っています。ボールを蹴る、止める、投げる、打つ、子どもの頃から繰り返してきたその動作を、しつこいほど繰り返し、精度を突き詰めていく。そんな職人的な気質こそが、名将に共通するところだと思うのです。 自分でも経験がありますが、「できた」と思ってからの伸びしろは意外なほど大きいもの。運動でも、学問でも、ゲームでもそうです。何度も何度も繰り返すことで、より効果的な動きができたり、より確実なクリアができたり、信じられないほど上手くなるもの。そして、最後には手や体が自然に動き出し、心は無の境地に到達するのです。スポーツの名場面でも「あのときは無心でした」という選手がままいますが、それは反復に反復を重ね、積み上げた技術が、意識することもなく発露した瞬間なのでしょう。それは