田舎の村。とてつもない田舎の村。 俺は新規開店を明日に控えた店の前で、地元の人たちと会話をしている。 ようやくだ。やっとここまで来たぜ。 俺の子供のころからの夢はピザ職人になることだった。だから俺は、中学を卒業すると直ぐに料理の世界に飛び込んだ。親は高校にだけは行ってくれと言って泣いたが、そんな回り道はしたくなかった。修行の為にわざと見ず知らずの他人の店で働いたんだが、シェフと言い合いになって辞めさせられることが何度もあった。どいつもこいつも「お前は思い込みが強すぎる」と言いやがった。中には「お前はいつか思い込みの強さのせいで痛い目に合う」なんていう奴もいた。何を言ってやがるんだ。思い込んだら命懸けでただひたすらに走り続けないと、目指している所には辿り着けないじゃねぇか。 それでも、何年か修行するうちにどうやら自分の腕に自信が持てるようになってきたので、俺は自分の店を持つために動き出すこと
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