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ブックマーク / ameblo.jp/arteriobio (8)

  • 『腸を元気にする食品の話』

    IBSで悩んでいる人は多いと思いますが、症状のある人だけがIBSなのではないようです。久里浜医療センターの水上先生によると、日人の8割に腸の形態異常が見られるというのです。つまりIBSはむしろ日人全体の問題ということです。 前回の話は、 物繊維→ 乳酸菌 → 乳酸→酪酸菌→酪酸→大腸 ビフィズス菌 酢酸       の栄養 (コハク酸) ということでした。この中で「酪酸菌」が働かないと、大腸の栄養ができずに腸が萎縮し、乳酸やコハク酸がたまって下痢になるという話をしました。 また乳酸菌やビフィズス菌が少なかったり、べる物繊維が少ない場合には、乳酸や酢酸の量が少なく、最終的な酪酸の量も少なくなります。この場合は下痢ではなく便秘になりやすいといえます。 便秘でも下痢でも大腸の栄養不足になりやすく、前回ご紹介したIBSのそれぞれのタイプが同じ酪酸不足で説明がつきます。 「酪酸菌」とは何か

    『腸を元気にする食品の話』
  • 『腸内の腐敗状態を回復する方法』

    高脂肪を摂ると、腸内で腐敗がおこります。それは以下のような流れです。 高脂肪べると ↓ 胆汁が増える ↓ 腸内の善玉菌が減って、アルカリ化する ↓ 腸内で腐敗菌が増える ↓ 腐敗物質や二次胆汁酸が増える 腐敗物質は硫化水素やインドール、フェノール、アミンなどの物質です。 二次胆汁酸は強力な発がん促進物質です。 腐敗は時間がたつほど進みますので、大腸の奥の方(S状結腸や直腸)で腐敗菌が多くなります。大腸癌もここで全体の7割以上を占めます。 腐敗状態を回復するには、大腸の奥の方まで酸を届かせる必要があります。昔の日人は大腸癌が非常に少なった理由として、物繊維をたくさん摂っていたことがあげられます。たとえばオカラのような不溶性の物繊維は大腸の奥まで届いて善玉菌のエサになるとともに、便の嵩をつくっていました。米や芋、豆などを加工せずにそのまま調理していただくと、難消化性の成分が腸内環

    『腸内の腐敗状態を回復する方法』
  • 『腸と肌は似た者同士』

    最近、有効成分を微粒子化して肌に浸透させる化粧品が売られています。「浸透する」という意味が微妙ですが、文字通り浸透すると大変なことがおこります。肌は外からの侵入者をブロックするのが仕事で、侵入者に対して「免疫」という仕組みで対抗します。ですから無理に浸透させようとすると、「免疫」が狂いだします。それがアレルギーです。 加水分解小麦を入れた石鹸が小麦アレルギーを多発させて問題になりました。品成分だと安全なような気がしますが、実は特に危ないのが品なのです。品中のタンパク質はアレルギーを起こす原因物質で、繰り返し体内に侵入することでアレルギーを発症しやすいのです。特に消化器官でない肌は免疫が発達していないので、無防備に近い状態です。真偽はともかく肌に浸透させるという発想自体が危険だといえます。 腸の場合も状況は同じです。実は腸の中は体の外なのです。ちくわを思い浮かべていただくとわかりやすい

    『腸と肌は似た者同士』
  • 『ケーキを食べても腸内腐敗を起こさない方法』

    現代はおいしいものであふれていて、わかっていてもつい甘いものに手が出てしまいます。ケーキの生クリームは乳脂肪と乳タンパクの塊ですので、腸内環境を悪くする最高の素材です。ケーキに限らず高脂肪の品はおいしく感じるように動物の味覚はできているようです。 能のままべ続けると、生活習慣病へまっしぐらになります。そこで私たちは腸の奥に生きて届いて腸内環境を改善する乳酸菌を開発しました。これは乳酸菌とオカラを合体したもので、乳酸菌を腸の奥まで運んでくれます。この乳酸菌を摂ると、高脂肪べても腸の奥の環境を良好に保てます。 それは次のような試験で確認しています。 まずヒトでは、総勢297名の健常者に、事制限をせずに2週間この乳酸菌を摂ってもらうと、その前後で便の色、におい、回数、量、形、残便感、排便時の力みの全項目で有意に改善しました。有意というのは統計的に意味があるということです。 ブタを使

    『ケーキを食べても腸内腐敗を起こさない方法』
  • 『大腸内の位置によってpH が違う』

    横行結腸(②)に進むと酸は使われて少なくなり、pH6.3まで上昇し、遠位結腸(③)ではpH7.0まで上昇していました。そして遠位結腸では二次胆汁酸(Secondary bile acid)や腐敗物質(Putrefactive compd.)が最も上昇していて、この部位に結腸がんや炎症性腸疾患が多く発生しました。

    『大腸内の位置によってpH が違う』
  • 『腸内フローラのバランスを表すのは腸内pH』

    腸内細菌は、善玉菌や悪玉菌があり、その両方の顔を持っている菌もあります。 腸内に住み着いている細菌は、ヒトが選んで住まわせているわけで、病原菌を除いてたいていの細菌は何らかの役割を持っていると考えられます。 善玉菌と悪玉菌はどこでわけられるのでしょうか。 腸内細菌は自分が生きていくために、栄養を分解してエネルギーを得ます。その時の酸性度(pH)を調べてみますと、硫化水素やインドールなどの有害物質をつくる菌は、6.6から8.0くらいで、二次胆汁酸をつくる菌もpH6.5以上の中性から弱アルカリ性になっています。 一方、乳酸をつくる菌はpH 6.5以下4.0くらいまで、酪酸をつくる菌はpH5から6.5くらいになります。 整理するとpH6.5を境に善玉菌としての働きと、悪玉菌としての働きがわかれるのです。 pH6.5以上では悪玉優勢、pH6.5以下では善玉優勢です。 生活習慣病の原因は、あぶらっこ

    『腸内フローラのバランスを表すのは腸内pH』
  • 『あなたの腸内フローラはだいじょうぶ?』

    年齢とともに腸内環境は悪化します。腸内細菌の集まりを腸内フローラといいます。お花畑のようにいろいろな細菌が競っている様子を表しています。ヒトの体は毎日べるものでつくられていますが、この腸内細菌たちも私たちがべるもので養われています。そして面白いことに、この腸内細菌がつくる物質によって、私たちの腸が養われているのです。どういうことかというと、私たちの腸は酪酸というものがエネルギー源になっています。腸の蠕動運動や腸の細胞をつくっているのも酪酸なのです。この酪酸、実は腸内細菌がつくっているのです。酪酸をつくる菌は、腸内が酸性(pH 5.0~6.5)では善玉菌なのですが、中性からアルカリになると腐敗物質をつくる悪玉菌になってしまいます。中には発がん性物質をつくる仲間の菌もいます。酪酸の原料となる乳酸や酢酸はビフィズス菌や乳酸菌がつくります。腸内フローラはこれらの菌が連携をとってヒトの健康に役立

    『あなたの腸内フローラはだいじょうぶ?』
  • 『前回に引き続き、オナラの話です』

    物繊維は大腸に届いて腸内細菌によって分解されてガスを発生します。しかし穏やかな発酵だとそれらは腸に吸収されます。そのときに腸内細菌は酢酸や酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸をつくります。このような腸内細菌は善玉菌です。短鎖脂肪酸は腸に吸収されて利用されます。特に酪酸は蠕動運動のエネルギーや腸壁細胞の形成に使われます。 ガス発生の原因になるという理由で、物繊維や糖質の摂取を制限する医師もいますが、それはむしろ逆効果です。 糖質を制限することは高脂肪高タンパクになり、腸内の酸性度(pH)が上昇して、悪玉菌が優勢になります。そうすると先ほどの短鎖脂肪酸がつくられずに、逆に硫化水素やインドールなどの腐敗物質がつくられます。くさいオナラは腐敗物質の臭いです。 これがいわゆる腸内フローラのバランスが崩れた状態です。こうなると腸壁細胞が萎縮したり、腸壁のぬい合わせが緩んで腸内の腐敗物質や未消化物質

    『前回に引き続き、オナラの話です』
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