タイトルはむずかしそうだが、中身は『生物と無生物のあいだ』の続編のようなエッセイ集である。内容にあまりまとまりがないので、第7章「ミトコンドリア・ミステリー」について簡単に感想を書いておく。 第7章でテーマになっている細胞内共生説を提唱したリン・マーギュリスには、1990年にNHKの「地球環境」特集でインタビューしたことがある。ミトコンドリアが細胞内共生によってできたものだという彼女の論文は、学会誌に15回も拒否されたが、現在では定説として確立している。細胞内共生としてもっともよく知られているのは、葉緑体である。これは藍藻というバクテリアが植物に「感染」して宿主も生き延び、共進化した結果、光合成を行なうようになったと考えられている。 マーギュリスはさらに進んで、地球上の生物はすべて競争と共生によって進化したというsymbiogenesisという理論を提唱し、ジム・ラヴロック(彼にもイン