横浜市の林文子市長が2019年8月の定例記者会見で行ったIR誘致の正式表明が話題を呼んでいる。これまで白紙としてきただけに市民からは反発の声も上がっているが、それ以上に注目したいのは一般会計だけで1兆7000億円(2019年度)を超える横浜市ですら財政が厳しいと公式に認めざるをえなかった点である。 記者会見で林市長は、華やかなイメージの裏側で「現状は毎年500億円ほどの収支不足から予算編成を進めていました」と語っている。財政事情を持ち出さないとIR誘致を正当化できなかったからとも言えるが、5年連続でプラスの予算を組むなどイケイケな印象があった中での「厳しい」宣言。 だが、これは他人事ではない。ここでは横浜市ならではの危ない事情に加え、大都市ほど危険という推測について見ていきたい。 2度も壊滅状態に陥った 歴史に詳しい方なら、横浜市が市の成立以降、2度も壊滅に近い状態に陥ったこと、その後も身