世界経済の今後を占ううえで、国際社会が注視している米中の貿易戦争。追加関税による「報復」を武器に、中国に圧力をかけるトランプ政権だが、東アジア域内のお膝元のひとつ、同盟国フィリピンにある旧米海軍スービック基地が中国資本の手に陥る恐れが出てきた。 1月8日、フィリピン・サンバレス州スービック湾にある造船所を運営してきた韓国の中堅造船会社の現地法人が、現地の裁判所に会社更生法の適用を申請したのが、事の発端。地元メディアの報道によると、フィリピンと韓国それぞれの金融機関からの同社の負債総額は約13億ドル(約1430億円)となり、数千人が解雇される見通しで、フィリピン史上最大の経営破たんのひとつだという。 そして、そこに「中国企業が買収に名乗りを上げた」(ロドルフォ比貿易産業次官)のだ。 日米の艦船が中国の支配下に!? スービック湾地域は、1884年にスペインが海軍基地として利用を開始し、1889