無能だけど給料が高い「あの人」 昔話になる。 ある会社に、プロセス改善のコンサルティングに入ったときのことだ。 その会社には、2つの派閥があった。 一つは、「実績派」のグループ。 営業部長を中心とした、「実力と実績で勝負だぜ!」という人間たちが固まっている集団。 そしてもう一つは「バランス派」のグループ。 管理部長を中心とした、「みんなとうまくやろうよ、波風立てるのはやめようよ。差をつけるのはやめようよ」という人間たちが固まっている集団だ。 彼らは表向き、というか社長の前では協調していたが、水面下では熾烈な権力闘争に励んでいた。 知人などにこの話をすると、 「後者のグループは平和主義者たちに見える」という指摘をする人もいるが、とんでもない。 実績派の人々は、「実績」というバックボーンを持っているので、政治的動きは控えめであった。 というより、忙しくて政治どころではなかったのだ。 ところが、