「お金がなくても、生きていけるのか?」 あるドイツ人女性は、14年前、こんな素朴な疑問に直面した。 それ以来、彼女は一円(1ユーロ)も使わずに生きているという。 彼女の名前は「ハイデマリー・シュベルマー」。 もともとは豊かな生まれでありながら、幼少期、第二次世界大戦によって全てを失った。それでも両親は再び事業を成功させ、また豊かな暮らしを取り戻す。 それから、ハイデマリー氏は2人の娘に恵まれ、教師をやりながら、ごく普通の安穏とした日々を送っていた。 娘たちが手元を離れ、老境に入ってからである。 彼女が突然、家屋敷を処分し、スーツケース一つで旅立ってしまったのは。 「すべてが失くなったら、一気に解放された気分で、跳び回りたいほどに嬉しかった。」 当初の計画では一年間ほど、お金のない生活を試みてみる予定であったという。 しかし、食べ物をくれたり、泊めてくれる人々が次々と現れて、あれよあれよと1