保育所運営最大手のJPホールディングス(名古屋市)は四月から、保育士志望の学生を対象に、同社への入社を条件に、最大百二十万円の奨学金を給付する制度を始める。深刻化する保育士不足対策の一環で、養成課程のある短大や専門学校との提携を進め人材確保を図る。待機児童問題が国会論戦の焦点になる中、保育士の待遇改善に向けた一歩として注目されそうだ。 (坂田奈央) 短大の年間学費の半分程度に当たる年六十万円を最長二年間給付し、返還の必要はない。学生向け奨学金は月十数万程度までの貸与型が多い中で、異例の給付額。荻田和宏社長は、保育士採用には今でも巨額の経費がかかっていると指摘し、採用増につなげるため「できれば年間百人ぐらいに給付したい」と話している。