今は昔のことだが、大御所先生が当時刊行したばかりの憲法の教科書で勉強していたところ、小選挙区比例代表並立制と併用制の区別がまったくできていない記述に出くわして仰天したことがある。政権交代から選挙制度改革へとまさに進んでいる時期だったにもかかわらず、というのは選挙制度というのが所詮は技術的な問題に過ぎないと軽視されていたということなのか、それだけこのあたりの違いがややこしいということなのか(その後の版では修正されている)。最近は衆議院の定数是正にからんで小選挙区比例代表連用制の導入という話題が出ているが、相変わらず制度の中身を理解せずに議論している人があちらこちらにいるのを見ると、やはり後者なのかもしれない。 連用制ここがおかしい? というのは産経新聞が前回総選挙のデータを基礎にした試算を公表し、連用制では一票の価値に大きな格差が生じ、法の下の平等にも反する懸念があると主張しているからである
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