なんとも興味深い関係を続けているアキさんに、男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが話を聞きました。(以下、亀山さんの寄稿) 内縁と事実婚は、夫婦という認識はあっても婚姻届を出していないという点では同じだ。ただ、内縁が明治時代の民法によって「戸主の同意が得られない」ために正式な結婚ができないなどの理由により生じたものであることに対し、事実婚は別姓を重んじたり家意識への抵抗など自分たちの主体的理由で婚姻届を出さないことによる。 「そうすると私の場合は内縁なのか、事実婚なのか……」 悩むアキさんだが、そもそも彼とは上司と部下の関係だった。彼女が転職した28歳のころ、元上司となる彼から食事に誘われた。10歳年上でバツイチの彼は彼女の恋愛対象外だった。当時、アキさんには恋人もいたのだ。 「ただ、食事して飲んでいるうちに終電を逃しちゃったんですよね。彼が『ウチのほうが近いから