4月になると、皆さんの会社にも新人たちが入社してくるだろう。ついこの間まで学生だった彼らには、会社での常識が通用しないことも多い。そんな新人の指導に役立つ事例とポイントを紹介しよう。 新人が知らないこと ついこの間新しい年が始まったと思ったら、もう3月になってしまいました。IT業界の3月といえば、年度末の納品やリリースで四苦八苦している時期かもしれませんね。そんな忙しい時期ではありますが、4月になれば今度は新入社員が皆さんの下に入ってきます。 本稿では、4月に新入社員を迎え入れる先輩社員が心に留めておくべき「新人が知らない会社の常識」を紹介します。新入社員が失敗してしまいがちな典型的な事例を挙げ、対処の仕方と指導する際のポイントを解説したいと思います。 用語の常識 「こういう場合、チーム内でコンセンサスを取るのはデフォルトだからね」 「……(何いってるのかさっぱり分からないけど、みんな分か
『オール讀物』2006年3月号「第134回直木賞決定発表」より。 (『容疑者Xの献身』で、第134回直木賞を受賞された、東野圭吾さんの自伝エッセイ「楽しいゲームでした。みなさんに感謝!」の一部です) 【そして7月2日の午後7時半頃、運命の電話が鳴った。 「おめでとうございます」 この台詞を耳にした時には、頭がくらっとした。新しい世界への扉が開かれる音がはっきりと聞こえた。 事実、それからほんの少しの間はバラ色だった。単行本の『放課後』は十万部も売れた。週刊文春のベストテンで1位にも選ばれた(当時が乱歩賞作品が1位になるのがふつうだったが、そんな事情は知らなかった)。 しかしそんなものが長く続かないことは私にもわかっていた。ここが勝負所だと思った。それで会社を辞めて上京することを決心した。 ところが上京後に会った編集者は明らかに困惑していた。 「あんなにいい会社、よく辞める決心がつきましたね
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