拉致問題対策本部長である菅直人首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者の家族が所属する政治団体から派生した団体に多額の献金をしていた問題で、拉致被害者の家族らには怒りと疑念が広がっている。首相はかつて、拉致実行犯の釈放嘆願書に署名したこともある。「政治家として信じられない」「姿勢に疑念を持たざるを得ない」…。巨額資金提供の意図は何だったのか。家族らに対し、首相側の詳しい説明が求められそうだ。■「あくまで別団体」 総務省によると、今年4月の東京都三鷹市議選に拉致事件の容疑者の長男を擁立した「市民の党」は平成8年9月に、菅直人首相の資金管理団体「草志会」から献金を受け取っていた「政権交代をめざす市民の会」は18年9月に、それぞれ設立された。 市民の党の酒井剛代表は取材に「ボランティア選挙でも大政党に勝てることを実証する団体」と設立の意図を説明。「めざす会は私の呼びかけで作られ、市民の党と事