翻訳サービス「DeepL」をご存知だろうか。人工知能を活用し、世界に存在する言葉の壁を取り払うことをミッションに掲げるドイツのスタートアップ企業だ。 その成功は奇跡的とすら言える。2006年から提供されてきた「Google翻訳」をはじめ、並みいる巨大企業が翻訳ツールを展開してきた。ところが、DeepLが開発に着手したのは2016年。訓練データの量がサービスの質に大きく関わる翻訳という領域で、圧倒的に後発だった。 それにも関わらず、DeepLは高い精度によって人気を博してきた。プロの翻訳者によるブラインドテストでも、他製品と比べて3倍優れているという結果もある。GoogleもMicrosoftもAmazonも、DeepLには敵わないというわけだ。 DeepLプレスリリースより 圧倒的後発のDeepLは、なぜ巨大テクノロジー企業を尻目に、これほど成功することができたのだろうか。今回の記事では、