『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 52 回 スピーチライター雇おうよ:アメリカ人にはわからなかったであろうプレス発表 月刊『某』 2011/05号ボツ原稿 要約:トヨタが一時のバッシング騒ぎから回復してきてめでたいが、プレス発表で「母親のおにぎりのように心をこめて」と言ったとか。通訳は泣いただろうし、アメリカ人は意味不明だったと思う。スピーチライター雇って、ちゃんと伝わる表現使おうぜ。いまや世界一なんだから。 去年の夏頃に、トヨタ車の急発進問題がアメリカでえらくたたかれて、集団訴訟の標的になったりした話をここでも採りあげたけれど、その後アメリカ政府からシロ判定が正式に下り、卑しい集団訴訟も下火になり、ずいぶん手間も費用もかかったけれど、よい形で話が片付きそうで何より。 が、今回の話は、それと間接的にしか関係ない。実はその一連の騒動を受けてトヨタは、社長が記者会見で泣いて見せたりして