【モスクワ=貞広貴志】グルジア当局は25日未明、ソ連の独裁者スターリンの出身地ゴリの目抜き通りにあった銅像を事前通告なく撤去した。 現地からの報道によると、サアカシビリ大統領は、「21世紀のグルジアに、スターリンの居場所はない」と決定を正当化したが、地元住民の間には「世界で最も有名なグルジア人であることは間違いないのに」といった異論も出ている。 撤去されたのは、スターリンが死ぬ前年の1952年に建立された高さ6メートルの銅像。抗議を避けるため、夜陰にまぎれて台座から取り外された。銅像は近くにあるスターリン博物館に移して展示され、銅像があった場所には、ロシアとの2008年の紛争などで犠牲になった人々の追悼施設がつくられる。 スターリンは1878年か79年にゴリの靴職人の家に生まれ、30年間以上にわたりソ連共産党書記長の座にあった。大粛清で悪名高いが、近年は第2次世界大戦の勝利やソ連工業化を主