「嘘だよ、このページ。人を欺こうとしているとしか思えないよ」。6月28日、廃炉に向かう東京電力福島第1原発の現状を検討するため開かれた会合で、更田(ふけた)豊志委員長代理は、東電のプレゼンテーション資料に声を荒らげた。資料にあったのは、東電が汚染水対策として進めてきた「凍土遮水壁」の図。何が問題だったのか。(社会部編集委員 鵜野光博) 「まったく理解できない」 舞台は「特定原子力施設監視・評価検討会」。更田氏がやり玉に挙げたのは、プレゼン資料8ページ目の「サブドレンによる地下水位制御性の向上」と題した図だ。サブドレンとは井戸のことで、山側から原子炉建屋に流れ込んで汚染水となる地下水を少しでも減らすため、建屋手前でくみ上げている。ただ、くみ上げ過ぎると今度は建屋の中から汚染水が漏れ出てしまうため、コントロール(地下水制御)が必要となる。 描かれた図は「ビフォー・アフター」になっており、左の図