阿久悠 痛恨の極みは、山口百恵の楽曲に関われなかったこと 2024年は正月早々、山口百恵のことを思い出してしまった。しかも2度もだ。 最初は1月2日にNHK BSで放送されたドラマ『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』を観たときだ。作詞家・阿久悠を主人公に、CBSソニーの名プロデューサー・酒井政利とのライバル関係を描いた実話ベースのこのドラマ。ご存じのとおり百恵は、阿久が企画し審査員も務めた日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』が生んだスターだ。 ところが、同じ “花の中3トリオ” の森昌子・桜田淳子はデビューから阿久が作詞を手掛けたにもかかわらず、阿久は結局、百恵には1曲も詞を提供しないまま終わった。劇中で「なぜ俺じゃないんだ?」とうめく阿久。百恵は酒井のプロデュースによって独自のアイドル像を創り上げ、時代のアイコンとなっていった。百恵の楽曲に関われなかったことは阿久にとって痛恨の極みで