卵白を泡立てる時に塩をひとつまみ加える、ワカモレには種を入れておく、鍋に木ベラをのせる……。おばあちゃん直伝の調理のコツの中には、間違っているものがたくさんある。化学者のラファエル・オモンがその一部を紹介する。 パスタの食感を損なわないために、湯は沸騰させ続けないほうがいい。photo:Getty Images 冷蔵庫の中に、栓の代わりにスプーンを指した前の晩のシャンパンボトルが入ってる? そんなことをしても何の役にも立たない。卵白を泡立てるときに塩をひとつまみ、あるいはレモン汁を少々加える――これも実は効き目はない。分子ガストロノミーに詳しい化学者ラファエル・オモンが、こうしたコツがいかに不条理であるかを説く。あなたが実践していたものはある? 木ベラをのせて、湯の吹きこぼれを防止する。 木ベラがのっていようがいまいが、鍋の湯は吹きこぼれる時は吹きこぼれるものだ。水が沸騰すると、泡が浮き上