韓国国防省の元幹部らによれば、米国防情報局(DIA)と韓国国防情報本部は年2回、北朝鮮軍の脅威を分析する定例協議を行っている。無線傍受で得た部隊の動き、人工衛星や高高度偵察機から撮影した核関連施設の画像、軍事パレードに登場した新兵器の評価などだ。国防白書には、この協議で合意した内容が反映される。 今回の白書は、北朝鮮の戦争シナリオについて「非対称戦力に頼り、奇襲攻撃を試みる。有利な状況を作り出した後、早期に戦争を終結させようとする可能性が高い」と解説する。この戦略には、北朝鮮の置かれた苦しい状況が反映されている。 北朝鮮の通常兵器は老朽化が著しい。空軍の主力戦闘機のミグ21は、ベトナム戦争当時に活躍した兵器。韓国軍の最新鋭ステルス戦闘機F35には全く歯が立たないとされる。陸軍の主力戦車も、1970年代に生産が終了したとされるT62だ。 国際社会の厳しい制裁によって、燃料の供給もままならない