ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/sakai (3)

  • 何が悪かったのか:アフガニスタン政権瓦解を生んだ国際社会の失敗

    <大国の軍事力に代わる有効な「人道的介入」の方策を、国際社会が確立することは結局できなかった> 8月15日、ターリバーンがカーブルを制圧し、アフガニスタンの権力掌握を果たした。バイデン米大統領が米軍を全面撤退させると宣言した期限の9月11日より1カ月近くも早い、カーブル陥落である。これで、2001年のアフガニスタン戦争でターリバーンを追放して以来米国が支えてきたアフガニスタン政権は、露と消えた。 この20年間にアフガニスタンで命を落とした米兵は2452人、英やカナダ、ドイツなどNATO加盟国の犠牲者を含めると3596人にもなるが、アフガニスタン人側の死者数は政府軍・民間人が10万人強、ターリバーンなど反米派側の被害も5万人を超える。米政権が費やした戦費は3兆ドルともいわれ、今年3月までにアフガニスタンの治安部門の再建計画に費やされた資金は8830億ドルとされている。この膨大な人的、資金的コ

    何が悪かったのか:アフガニスタン政権瓦解を生んだ国際社会の失敗
  • バグダードのテロ再び──テロ犠牲者の遺恨を体現した「フランケンシュタイン」は再来するか?

    バイデン米大統領の就任を受け、米軍撤退後のイラクを再び混乱に陥れようとISが動き始めた> 1月21日、イラクの首都バグダードの中心街で大規模な爆破事件が起きた。翌日にはISが犯行声明を出したが、イラク国内でISによるものと思われるテロ事件はバグダード以外では1年半前(2019年8月、キルクーク)、バグダードでは3年前の2018年1月以来である。トランプ前政権が、イラク駐留米軍の数をこれまでの3万人から2500人に減少させるとした期限の1月15日から1週間後、バイデン大統領の就任式の翌日というタイミングを考えると、米軍撤退後のイラクを再び混乱に陥らせようというISの思惑が透けてみえよう。 興味深いのは、爆発現場となった場所である。3年前、当時のアバーディ・イラク首相がIS掃討作戦を「勝利」で終えたと宣言した一か月後に、バグダード市内で38人の死者を出したのも、同じ場所、タイヤラーン広場だっ

    バグダードのテロ再び──テロ犠牲者の遺恨を体現した「フランケンシュタイン」は再来するか?
  • カタール孤立化は宗派対立ではなく思想対立

    サウジ、UAEを軸にカタール包囲網はみるみる広がった(写真はカタールの首都ドーハ中心部の遠景) Naseem Zeitoon-REUTERS <イラン対サウジの対立を「シーア派対スンニ派」の宗派対立と表現するメディアもあるが、実際の構図は「イスラム主義対保守的権威主義」の思想対立> サウディアラビアの皇太子交代のニュースは、衝撃をもって世界を駆け巡った。サルマン国王の息子、ムハンマド・ビン・サルマンが副皇太子の地位でありながら、実質的にサウディの若き指導者であることは、誰しもわかっていた。だが、従弟たるムハンマド・ビン・ナーイフをわざわざ皇太子の地位から外してまで、今、次期国王の名乗りを挙げる必要は、何だったのだろう。そこにニュースに接した筆者たちの驚きがあった。 なによりもカタールと断交し、イランとの間に緊張が高まる現状での出来事である。ムハンマド・ビン・サルマン(一般にMbSと略されて

    カタール孤立化は宗派対立ではなく思想対立
    taron
    taron 2017/06/26
    ムスリム同胞団との関係が鍵と。しかし、「思想」というほどの対立軸でもなさそうな。/ある程度、中東をまとめるイデオロギーは存在しなくなっていないか。イスラーム主義は結局、非イスラムに嫌われるし。
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