生活保護を受ける人は200万人を超え、20年前の2・4倍に増えました。その背後には、さらに膨大な「隠れた貧困層」もひかえています。人々が安心して暮らせる手立ては用意されているのでしょうか。 「毎月やりくりしても赤字が出ちゃう…」 埼玉県の女性(77)が、通帳とにらめっこしながらため息をついた。10年前には100万円以上あった貯金は、すでに10万円を切っている。 40代で会社員の夫と別れ、子連れで住み込みの寮母などをして息子2人を育てた。清掃員をしていた70歳のとき、高齢を理由に仕事を辞めさせられた。その後は探しても職がなく、年金頼みの暮らしになった。 女性は厚生年金の加入期間もあり、もらえる年金は1カ月で9万円ほど。うち半分は、一人で住むアパートの家賃にあてる。電話代や光熱費などで計1万円強。食費を切りつめても、長年かけてためたお金が目減りしていく。息子たちが月2万円ずつ援助してくれると言