「スティーヴィー・ワンダーも、ホール&オーツの前でこの曲は歌えないよなぁ」と友人が笑いながら言ったので、僕も笑って「そうだよなぁ」と答えた。 あの時は本当にそう思ったのだ。 何の話かと言えば、スティーヴィーの新曲「パートタイム・ラヴァー」が、その3年前に大ヒットしたホール&オーツの「マンイーター」によく似ているから、真似したスティーヴィーは、元歌を作ったホール&オーツの前では、恥ずかしくてこの曲を歌えないだろうということである。 でも、改めて聴いてみればわかる通り、この2曲はほとんど似ていない。それなのに、当時は僕らと同じように感じた人が結構多かったのだ。それはなぜかと言えば、イントロのリズムが同じだったからだろう。 そのリズムとは「モータウンビート」と呼ばれるもので、代表的な例としては、シュープリームスの「恋はあせらず(You Can't Hurry Love)」などが挙げられるだろう。
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