≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その472 Bruce Springsteen – Nebraska 「明日なき暴走」や「ハングリー・ハート」のような華やかなヒット曲ももちろん名曲に違いないが、それとはまたべつの、スプリングスティーンにはロックの最深部へ到達するような、深い闇の部分がある。 もしかするとそれが彼の神髄なのかもしれない。 16歳のとき、わたしが初めて聴いたスプリングスティーンのアルバムが、『ネブラスカ』だった。 わたしはこの、スプリングスティーンが宅録で制作したアルバムの底知れぬ暗さや、異様な世界観に衝撃を受けた。 当時は、これはほんとに正規のレコードなんだろうか、ちゃんとした売り物なんだろうか?と思ったほど、エンターティメント性ゼロの、謎の自主製作盤みたいに思えたものだった。 後に『明日なき暴走』や『ザ・リバー』『ボーン・イン・ザ・USA』などを聴いて、最も