文藝春秋 1600円+税 片山 本書は、岸富美子さんという映画編集者の一代記です。編集とは、フィルムを切り貼りして、画面をつないで、映画に意味とリズムをもたらす重要な仕事ですね。15歳で映画業界に進んだ岸さんは、1939年に満洲に渡り、満洲映画協会(満映)という国策映画会社で働きはじめます。そして終戦後も53年まで中国に残り、戦後中国映画の出発に大きく貢献しました。本書は岸さんの手記を基として、ノンフィクション作家の石井妙子氏が岸さんにインタビューを取り直し、「解説」も加えて丁寧にまとめられています。 戦時期の映画で国際色が豊かというと、『新しき土』(1937年)と『私の鶯』(1942年)を挙げたくなるんですが。前者は、ドイツからアーノルド・ファンク監督を招いて原節子の出た、ドイツ語の飛びかう特撮パニック映画。後者は、ハルビンが舞台で李香蘭が出た、ロシア語の飛びかうオペラ映画。岸さんはなん
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