五輪コラム 爲末大学 オリンピックを考える 五輪に3度出場、世界選手権で2度銅メダルを獲得し、先ごろ引退したばかりの侍ハードラーが、独自の視点から五輪を斬る。社会派アスリートが現地で 見て、感じた世界最高峰の戦いを語る。 お家芸と言われた女子マラソンが、メダル・入賞なしに終わった。選手たちは精いっぱい努力したと思うのだけど、残念ながら少し世界との差が開き始めているように思う。いろんなところでその原因が語られているが、実際のところは一体どこに手を突っ込めばいいのか。 この十数年で学校法人のスポーツに対しての意識は変わってきている。教育の一環という考え方から、広告塔としての捉え方に変わってきていて、長距離選手も例外ではない。奨学金で引っ張ったり、全額学費補助、その他さまざまな特典で選手を勧誘する。目的は在学中の競技成績、つまり駅伝での成果だ。 駅伝というコンテンツの威力が強いために、女子の長距