2013年03月08日 「時間」を紐解く(7)宗教-時間観(二)仏教 カテゴリ:夢有無有 「時間」を紐解く(7)宗教-時間観(二)仏教 仏教の時間観念は基本的に現在(今)にある。それは前世も来世も説かなかった釈尊の現世指向に起因します。輪廻転生説を容れるとしても、それは円環時間観の存在を示すことにはならない。輪廻転生が、同一の時間軸の上に起こるものとされていないからである。 物事はすべて移ろい行くものであり、常住存在などない「諸行無常」というのが仏教の根本的な時間認識です。釈尊の教えを体系的な思想としてまとめアビダルマではこれを「すべての存在は極分化された一瞬にのみ存在し、瞬間毎に消滅する」(刹那滅)という思想として展開します。従って、計測される時間とは単に人間の意識の内にあるとします。大乗八祖の龍樹に代表される「中論」において古代大哲学者の否定の否定論法で「空」観から時間の流動の否定しま