もう、20年以上前の事。田舎の小さな本屋の端の棚に、ひっそりとあった松本大洋さんの「STRAIGHT」。1巻だったか2巻だったか覚えていないですが、その本屋には、どっちか一巻しか置いていなかったです。 その当時の松本大洋さんは、たしかビックコミックスピリッツで「花男」を連載中か連載が終わったくらいの頃。まだ今のように有名な人気漫画家では無く、確か「花男」も次作の「鉄コン」ですら、途中打ち切りになってしまうくらいの、要するにほぼ無名の売れてない漫画家さんでした。でもこの頃「松本大洋」さんは、それまで手塚治虫ばっかり買い集めていた僕が初めて「凄い漫画家だ。」と思った最初の漫画家でした。 「ZERO」を本屋で立ち読みした時の興奮を、僕は忘れることが出来ません。身が震えるのを感じました。これは相当なカリスマが描いている漫画だ、と直感しました。でもそれと同時に、凄いけど世間一般に受け入れられるタイプ