英国から遠く離れた日本で、チャールズ国王にゆかりある革靴の修理法が広まりつつあるとは、何とも興味深い。“継ぎはぎ”をキーワードに取材を進めると「良い物を長く愛用する」という価値観とともに、時代に先駆けた環境意識を持ち続けた国王の哲学の一端を知ることとなった。(共同通信=西田あすか) スニーカー愛転じて革靴に目覚める JR原宿駅からほど近い閑静な住宅街にある佐藤さんの工房「Studio-hidden」。隠れ家のようなひっそりとしたたたずまいのため、目印の看板に気付かず何度も通り過ぎてしまったほどだ。地下へと続く階段を下りると、打ちっ放しのコンクリートに囲まれた小さなスタジオが広がり、丸眼鏡をかけた佐藤さんが柔和な笑顔で出迎えてくれた。 スニーカーをこよなく愛する高校生だった佐藤さんは、かつて浅草にあった「エスペランサ靴学院」(2021年に大阪市に移転)で靴作りの基本を学び、卒業後は都内の靴修